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猪&ざぶとん

Author:猪&ざぶとん
ハルキョンハル萌えの管理人のとめどない日記。
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SS シングル・スター 
2010/07/07 【Wed】 23:59
CATEGORY【SS】
滑り込み。ぴったり60行。推敲する暇が全く無くタイトルも投下間際に……。
載せないでおこうと思ったけど、そろそろ更新しないといかんので晒すコトにします(。・x・)ゝ

七夕
二年目のハルヒ
────
 
 
「よっ、と」
 ガシャンっと鉄製の門が衝撃で揺れる音が夜に響く。
 素早く周囲を見渡してみたが、特に誰かに気づかれた様子は無いようだった。
「……よし」
 そのまま小走りになって夜のまっ暗なグラウンドを斜めに横断する。
 
『世界を大いに盛り上げるジョン・スミスをよろしく!』
 
 不意にあの意味の分からない叫び声が脳裏に蘇る。
 あたしは顔をしかめながら反対側の体育用具倉庫に辿り着くと、裏側の隅っこの影になって見えないところに隠しておいた線引きと石灰の入った粉袋を確認する。
 
 ──あたしがその言葉を聞いたのは丁度一年前、東中学に入った最初の年の七夕の夜のことだった。
 今日みたいに学校に忍び込んでグラウンドに大きな目印を書くつもりだった。そこに居合わせた不審人物。自称自分の姉を担いだ変な高校性。それがジョン・スミスと名乗る男との出会い。
 あたしのやることに口を出さず淡々と作業をこなしてくれたおかげで、無事にあたし特製の対宇宙人用メッセージを作ることが出来た。
 早く現れなさい、そう思って作ったメッセージ。書いたのはジョンだけどね。
 思い出すと自然と笑みがこぼれた。
 ジョンとはその後すぐに別れ、帰宅途中にその叫び声に似た主張を聞いたのだった。
 
 あれが本当にジョン・スミス本人だったのかは分からない。元々暗くて顔なんてよく見てなかったしね。声も……今はもう覚えていない。
 と、そのときあたしは何か違和感を覚えて、周囲の暗がりに注意を向けた。
「誰かいるの?」
 静まり返ったグラウンドには人の気配はない。
 ひょっとして……?
 あたしはぶんぶんと頭を降って、倉庫の影から周りをそっと伺うことにした。
 
 ──あの夜の後、あたしはもう一度ジョンに会ってみようと思い、北高へと出向いた。
 でも調べてみてもちっとも見当たんない。確かに北高の制服を着ていたし、本人もそう言ってたのに……。
 だからあの夜以来、ジョンと再会はしていない。もしかして彼自身が人間に擬態した宇宙人や未来人だったんじゃあって思うことも……なんてね。急な引越しって可能性だってある。でも不思議な存在だということだけははっきりした。
 
 夜のグラウンドは静かで、昼間に見るときよりも広々として、どこまでも空虚なものに感じる。
 生憎の曇り空で月明かりも今はない。
 思わず身震いがした。
 
 ──あたしは彼にもう一度会いたいのかしら?
 そりゃ会いたくないのかと言えば嘘になる。
 聞き分けのいい高校性。どこか超然とした立ち振る舞い。そして笑わないで話を聞いてくれた初めてのひと。でも今は行方不明で匿名希望のジョン・スミス。
 
 ぎゅーっと、目を凝らす。最初にグラウンドを横切ったときには気付かなかったけれど、人影が見える。あれは朝礼台の上?
 随分とエラそうなところに立ってるじゃない。
 
 ──あたしはジョンにもう一度会って、それで……どうしたいの? あたしにはそれが分からない。
 一緒に宇宙人や未来人、超能力者を探す? ただ一緒に遊ぶ?
 ジョンならあたしの考えることよりも面白いことを知ってるかも知れない。
 僅かばかりの希望……いえ、願望ね。
 
 急に風が吹き始め、空の雲を吹き飛ばしていく。隠されていた月がわずかに顔を出し、あたりを薄く照らし出した。
 あたしは朝礼台の人影に見つからないように、裏側に回りながら静かに接近しようした。
 だけどどうしたって砂を蹴る足音を消すことが出来なくて、数歩歩いてその行動の滑稽さに息を吐いた。
 なんでわざわざあたしがコソコソとしなくちゃいけないのよ、バカみたいじゃないの。
 
 ──ジョン、あんたは今……どこで、何をしているの? 何を見ているの?
 
 正々堂々、正面から! 朝礼台に向けて前進する。
 ザッ、ザッ、ザッ、と砂を噛む音を盛大に立てて、あたしはその人影の正面に立った。
「な、なによこれ!」
 そこで見たのはまさしく人影だった。正確には人の形をした影。そう、それはただの看板。首から下には板を下げ、それには『グラウンドにラクガキをするな!』とマジックで殴り書きされていた。誰に向けての言葉なのかは明白だ。
 カーっと、頭に血が上るのを自覚する。でもそれがカタチを成す前に今度は急速に頭が冷めていく。ふぅ、と溜息をついた。それがどんな意味を持った溜息なのか、あたしには分からない。
 やっぱり今年はメッセージを書くのはやめよう。そう思い、空を見上げた。まだ雲が残る空を。
「織姫だけ……ね」
 夜空には、こと座のベガだけが青く輝いていた──
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